次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

「私からも言わせてもらうけど、あんたみたいな生意気がパートにいると、ほんとに吐き気がするんだ。あと、感情込めて出来てるふうに叩いてんのイラつく」

そう言うと先輩は私の頬を叩いて帰っていった。
外れた先輩はもう一度私を睨みつけて、あとを追うように走っていた。
2年の先輩たちは小さい声で「ごめん」と言うと、あとを追った。

音楽室に戻ると、私のスティックやマレットが散乱していた。先輩たちがやったんだろう。
私が1番愛用していたビブラフォンのマレットも、真っ二つに折られていた。

「…何で…」

上手くなりたかっただけなのに

コンクールに出たかっただけなのに

スティックたちをケースにしまって、帰路につく。

──もう何も、わからなかった。


結局あんなことをしても気が済まなかったのか、パート練習での嫌がらせはエスカレートしていった。

どうやって叩いても「違う」の一点張り。
酷い時は、スティックだけ持たされ練習して来いと音楽室の外に出されることもあった。

もちろん他のパートの先輩は見て見ぬふりだった。
コンクールメンバーに他の1年生はいなく、助けを求めることさえ出来なかった。

結局、まともに練習をさせて貰えないまま迎えた県大会は銀賞。

先輩たちは、1年生を入れるからこうなるんだ、と顧問に抗議しに行き

コンクールの悪評は全て私のせいにされた。

このことが原因だろうが、私はこの頃すでに自分の気持ちが言えなくなっていた。

──自分の音もわからなくなっていた。