オーディションが始まったからと言って、私の考えは変わらなかった。
鍵盤楽器が上手くなりたい。あわよくば、コンクールにも出てみたい。
そんな一心で練習をしていた。
一方の先輩は、ピアノとヴァイオリンを習っていたので、ちょくちょく練習を早退していた。
相手は1年生で、しかもまだ私より下手だ。という確信があったのだろう、別に私を危険視していなかったから習い事の時間をズラさなかったらしい。
そして遂に打楽器の番が来た。
先輩から先に受けに行き、終わったら私を呼ぶというスタイルのオーディション。
先輩は呼びに来た際に、私にこう言った。
「ごめんね、ノーミスで叩けちゃった」
「今回は残念だったね、でも、木村さんには来年もあるから」
その言葉は、ほんとに良心から来るものだと、私は理解していた。
負けたんだなぁ、とは思ったけれど、全力を出すのには変わりない。
そう思って、ノーミスで叩ききった。
音楽室に戻ると、先輩達が談笑をしていた。
「あ、お帰り木村さん!楽譜貰っていいかな?一応予備として持ってたいの!もう必要ないよね?」
「あ、はい、どうぞ」
私は楽譜を渡して同級生の元に戻った。
「渚ちゃんどうだった?ウチ、ミスった…」
「俺も〜…。やっぱ先輩には叶わないよねー…」
「私は…ノーミスでいけたかな」
その言葉に先輩も同級生も沈黙した。
そりゃそうだ。
私は今年から始めた言わば初心者だ。
ノーミスでいけたなんて、信じられないだろう。
鍵盤楽器が上手くなりたい。あわよくば、コンクールにも出てみたい。
そんな一心で練習をしていた。
一方の先輩は、ピアノとヴァイオリンを習っていたので、ちょくちょく練習を早退していた。
相手は1年生で、しかもまだ私より下手だ。という確信があったのだろう、別に私を危険視していなかったから習い事の時間をズラさなかったらしい。
そして遂に打楽器の番が来た。
先輩から先に受けに行き、終わったら私を呼ぶというスタイルのオーディション。
先輩は呼びに来た際に、私にこう言った。
「ごめんね、ノーミスで叩けちゃった」
「今回は残念だったね、でも、木村さんには来年もあるから」
その言葉は、ほんとに良心から来るものだと、私は理解していた。
負けたんだなぁ、とは思ったけれど、全力を出すのには変わりない。
そう思って、ノーミスで叩ききった。
音楽室に戻ると、先輩達が談笑をしていた。
「あ、お帰り木村さん!楽譜貰っていいかな?一応予備として持ってたいの!もう必要ないよね?」
「あ、はい、どうぞ」
私は楽譜を渡して同級生の元に戻った。
「渚ちゃんどうだった?ウチ、ミスった…」
「俺も〜…。やっぱ先輩には叶わないよねー…」
「私は…ノーミスでいけたかな」
その言葉に先輩も同級生も沈黙した。
そりゃそうだ。
私は今年から始めた言わば初心者だ。
ノーミスでいけたなんて、信じられないだろう。

