次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

嫌だ嫌だ嫌だ
違う違う違う

そんな言葉だけが頭の中をぐるぐると回る。

「…っ、ごめんなさいごめんなさいっ」

口から出てくるのは、過去へのトラウマ。

…分かってたのに。

こんな部活で上手くやっていけるわけ無かったんだ。


気がついたら、旧校舎の裏まで走っていた。

私はその場にしゃがみ込んだ。

「うっ…ごめん…なさいっ…」

それしか出てこない。
頭を巡らせても、この言葉しか出てこなかった。

そして、あの日の記憶が鮮明に蘇ってきた。



──中1の初夏──。

ある程度鍵盤楽器が叩けるようになった時期に、顧問から「コンクール」についての説明があった。

うちの学校は金賞を目指すから、メンバーはオーディションで決めるのだと。

中1でまだ何も知らない私は、その「コンクール」がとてもきらきらしたものに思えた。
そして、出たいなぁ、と思ってもいた。

私がドラムを始めたのは小2だったが、鍵盤楽器はやったことがなく、中学で初めてまともに触った。
で、コンクール曲の鍵盤は、練習としてやらされていた。

そして中3の先輩もまた、コンクール曲の鍵盤を練習していた。

顧問は「今年はたくさん経験者が入ったから、1年生もオーディションに参加してもらう」と言った。
打楽器の人数は、8人。コンクールに出られるのは5人。どうしても3人は落ちる。
先輩たちは、1年生3人が全員落ちて、自分たちで編成を組みたかったらしい。

そして、オーディションが行われた。