次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

|《自分の音》


「県立○○高等学校、銀賞」


私たちは、県大会で演奏を終えて表彰式を迎えていた。

吹奏楽コンクールの表彰は、金賞、銀賞、銅賞の3つに別れている。
金賞が1位なのではなく、総合評価で見て3つに分けただけなので、金賞を取ったからと言って必ずしも次の大会に進める訳では無い。

B部門の県大会、ここを越えれば東関東大会に進める。
ただ、今日の大会には、東日本常連の学校もたくさん来ている。

…私たちの学校はと言うと、今まで県大会にすら進んだこと無かった。
それに、「前の顧問が不祥事を起こした」ということは、世間に知れ渡っている。
ここにいる人達が知らないはずもない。

「…あれ、落ちこぼれ吹奏楽部でしょ?」

演奏前舞台裏にいる時、何回も聞こえたこの言葉。

「あんな部、金取れるわけないのにね」


そして、今に至る。

「…次、花山南だよ…!」

舞奈と顔を見合わせる。

お願い、お願い、お願い!!

「県立花山南高等学校…」

目を瞑る。

「ゴールド金賞」

え?

嘘、信じられない。

会場がザワつく。

「やっっっったぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

私たち部員は大声で叫んでいた。
金賞、金賞を取ったんだ!!

「…でもまだ」

絵美子は呟いた。

そうだ。まだ東関東に進めるかは分からない。

「それでは次に、来たる東関東大会に進む3校を、発表します」

お願いします…!神様!!
隣の席の柊が、私の手を握った。

「…大丈夫、俺たち頑張ってきたじゃん」
「……そうだね」

1校目…、強豪校だった。
2校目…は、やっぱり強豪校。

「3校目…」
「最後だよ…」

舞奈は言った。