「…!!」
志乃先輩は傷ついたような表情を浮かべた。
「先輩は私よりドラム上手くないじゃないですか、黙っててくださいよ
ていうかなんなんですか?滝野くんも、潔く負けを認めてどっか消えてくださいよ」
私は思わず
琴乃ちゃんの顔を
叩いていた。
「っ、なにするんですか!」
「何するのじゃないでしょ、志乃先輩の事バカにしたり、柊に酷いこと言ったのあんたでしょ?!」
琴乃ちゃんは私の胸ぐらを掴んで言い放った。
「大切なのは自分の上手さを人に見せつける事と正確さでしょ、そんなことも分からないなんて、あんたドラムやる資格ないんじゃないの?!」
「吹奏楽は違うのっ!!」
気づくと大声で叫んでいて、舞奈と絵美子が止めに入ってきていた。
「…吹奏楽は、正確さもそうだけど、メロディーを優しくフォローするような音色じゃないとダメなの、自分だけが目立つなんて、そんなのは違う」
やっとの思いで感情を押し込めて、静かに声を出す。
「大事なのは皆でひとつのものに向かって一緒に表現することなの、自分の感情を挟んで乱すことなんて、あっちゃいけない」
「…そんなの知らないわよ」
顔を逸らす琴乃ちゃんにはお構い無しに、私は続ける。
「ティンパニがやりたいからって、小物のパートや音を大事にしないあんたに、
ティンパニをやる資格なんて、無い」
「っ!!」
そこまで言って、私はその場に座り込んだ。
…こんなに自分の感情を表に出したのは、初めてだった。
志乃先輩は傷ついたような表情を浮かべた。
「先輩は私よりドラム上手くないじゃないですか、黙っててくださいよ
ていうかなんなんですか?滝野くんも、潔く負けを認めてどっか消えてくださいよ」
私は思わず
琴乃ちゃんの顔を
叩いていた。
「っ、なにするんですか!」
「何するのじゃないでしょ、志乃先輩の事バカにしたり、柊に酷いこと言ったのあんたでしょ?!」
琴乃ちゃんは私の胸ぐらを掴んで言い放った。
「大切なのは自分の上手さを人に見せつける事と正確さでしょ、そんなことも分からないなんて、あんたドラムやる資格ないんじゃないの?!」
「吹奏楽は違うのっ!!」
気づくと大声で叫んでいて、舞奈と絵美子が止めに入ってきていた。
「…吹奏楽は、正確さもそうだけど、メロディーを優しくフォローするような音色じゃないとダメなの、自分だけが目立つなんて、そんなのは違う」
やっとの思いで感情を押し込めて、静かに声を出す。
「大事なのは皆でひとつのものに向かって一緒に表現することなの、自分の感情を挟んで乱すことなんて、あっちゃいけない」
「…そんなの知らないわよ」
顔を逸らす琴乃ちゃんにはお構い無しに、私は続ける。
「ティンパニがやりたいからって、小物のパートや音を大事にしないあんたに、
ティンパニをやる資格なんて、無い」
「っ!!」
そこまで言って、私はその場に座り込んだ。
…こんなに自分の感情を表に出したのは、初めてだった。

