「─それではそこ、ティンパニとウッドブロックだけで。柊、檜さん」
「はい」
何かに気を取られているのか、琴乃ちゃんは、練習で出来ていたところさえも出来なくなっていた。
「…ウッドブロック、やる気あんのか?」
ブラック滝野先生が出たところで、琴乃ちゃんはスっと手を挙げて言った。
「先生、私ティンパニやりたいです」
…は?!
私と志乃先輩は顔を見合わせる。
そんなこと1度も言っていなかった。
「…え?!なんでだよ!ティンパニは俺の楽譜だし」
「滝野くんは基礎が全然出来てないです。指を使うところと手首を使うところ、曖昧です、正確じゃないです」
琴乃ちゃんは柊を指さして言った。
「あと、なんでか知らないけど音が小さいです。そんなんじゃメロディーラインに負けて、目立てないです」
先生は驚いた顔をして琴乃ちゃんを見た。
「…はぁ、お前、分かってないんだな」
先生はため息をこぼす。
「なんでですか、分かってないのは滝野くんのほうでしょ?」
「お前はなんでティンパニやりたいんだ?」
先生の問いかけに、琴乃ちゃんは堂々と答えた。
「私の方が、ドラムが上手いからです」
「ドラムが上手いからってなにがある?」
「…っ、私の方が上手いから、絶対ティンパニも私の方が上手く叩けます、目立って、皆にティンパニの良さを伝えられます!」
志乃先輩が琴乃ちゃんに駆け寄る。
「琴乃ちゃん?吹奏楽はそうじゃなくてね」
「下手は黙っててください」
「はい」
何かに気を取られているのか、琴乃ちゃんは、練習で出来ていたところさえも出来なくなっていた。
「…ウッドブロック、やる気あんのか?」
ブラック滝野先生が出たところで、琴乃ちゃんはスっと手を挙げて言った。
「先生、私ティンパニやりたいです」
…は?!
私と志乃先輩は顔を見合わせる。
そんなこと1度も言っていなかった。
「…え?!なんでだよ!ティンパニは俺の楽譜だし」
「滝野くんは基礎が全然出来てないです。指を使うところと手首を使うところ、曖昧です、正確じゃないです」
琴乃ちゃんは柊を指さして言った。
「あと、なんでか知らないけど音が小さいです。そんなんじゃメロディーラインに負けて、目立てないです」
先生は驚いた顔をして琴乃ちゃんを見た。
「…はぁ、お前、分かってないんだな」
先生はため息をこぼす。
「なんでですか、分かってないのは滝野くんのほうでしょ?」
「お前はなんでティンパニやりたいんだ?」
先生の問いかけに、琴乃ちゃんは堂々と答えた。
「私の方が、ドラムが上手いからです」
「ドラムが上手いからってなにがある?」
「…っ、私の方が上手いから、絶対ティンパニも私の方が上手く叩けます、目立って、皆にティンパニの良さを伝えられます!」
志乃先輩が琴乃ちゃんに駆け寄る。
「琴乃ちゃん?吹奏楽はそうじゃなくてね」
「下手は黙っててください」

