|《優先すべきもの》
「おはようございます」
「あ、おはよう渚ちゃん」
オーディションが終わって1週間。
そろそろ皆受け入れ始めている頃だ。
結局あの後、華ちゃんは何も言わずに練習に戻り、先輩はよっぽど悔しかったのか、家に帰ってしまった。
私たちのオーディション結果はと言うと、私が鍵盤で志乃先輩がスネア兼タムという私が勝つ結果になった。
ちなみに柊はティンパニだ。
「そういえば、どうするんですかね、小物」
「そうだねー、落ちた管の人を借りてくるっていうのが去年までのやり方だったけど…」
2人で唸っていると、先生が1人の女子生徒を連れて音楽室に入ってきた。
「おはよう、2人とも」
「おはようございます、先生」
「ごめんね、柊ちょっと寝坊してて」
「…あーそうですか」
私にしてみると、柊に会いたくないので寝坊は好都合だった。
…恋かもしれないなんて、顔を合わせることすら出来なくなるから。
「ところで、その子は?」
「あぁ、軽音部からうちに転入部する子です」
軽音からか。
「…よろしくお願いします」
「よろしくね!私は2年の原 志乃っていいます!」
「あ…1年の檜 琴乃です」
琴乃ちゃん。聞いた事あった。
軽音で1位2位を争うほどの腕前の持ち主、別名「ドラムの天使」。
──寒い名前だとは思うけど
でも確かな腕前だ。
「あの…コンクールに出たくて」
「そうなの?じゃあとりあえず、今空いてる小物の楽譜、やってみようか!」
「おはようございます」
「あ、おはよう渚ちゃん」
オーディションが終わって1週間。
そろそろ皆受け入れ始めている頃だ。
結局あの後、華ちゃんは何も言わずに練習に戻り、先輩はよっぽど悔しかったのか、家に帰ってしまった。
私たちのオーディション結果はと言うと、私が鍵盤で志乃先輩がスネア兼タムという私が勝つ結果になった。
ちなみに柊はティンパニだ。
「そういえば、どうするんですかね、小物」
「そうだねー、落ちた管の人を借りてくるっていうのが去年までのやり方だったけど…」
2人で唸っていると、先生が1人の女子生徒を連れて音楽室に入ってきた。
「おはよう、2人とも」
「おはようございます、先生」
「ごめんね、柊ちょっと寝坊してて」
「…あーそうですか」
私にしてみると、柊に会いたくないので寝坊は好都合だった。
…恋かもしれないなんて、顔を合わせることすら出来なくなるから。
「ところで、その子は?」
「あぁ、軽音部からうちに転入部する子です」
軽音からか。
「…よろしくお願いします」
「よろしくね!私は2年の原 志乃っていいます!」
「あ…1年の檜 琴乃です」
琴乃ちゃん。聞いた事あった。
軽音で1位2位を争うほどの腕前の持ち主、別名「ドラムの天使」。
──寒い名前だとは思うけど
でも確かな腕前だ。
「あの…コンクールに出たくて」
「そうなの?じゃあとりあえず、今空いてる小物の楽譜、やってみようか!」

