次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

「おい」

柊がキラキラ系に近づく。

「え?しゅ、柊くん!なに?」
「今日、頑張ろうな」

柊はそれだけ言うと私の元に戻ってきた。
うんざりした顔でため息をつく。

「うん、よく頑張った」
「…手が滑って殴るとこだった」

彼は、滝野先生以外にはちゃんと感情を制御できるみたい。ただ、ストレスだったのか、マレットをいじいじしていた。

「…柊」
「ん?」
「頑張ろうね」
「あったりまえだろ、魅せつけてやるよ、俺の完璧な演奏」
「…うん」

大丈夫、何があっても多分上手くいく。

「皆さん、行きますよ」

先生の合図で、私たちは会場に足を運んだ。