次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

|《魅せつけてやるよ》


私たちが「落ちこぼれ吹奏楽部」に入って、1ヶ月がたった。

「皆さん!明日はついに駅前コンサート本番ですよ!しっかり準備してくださいね!」

先生の一声で、サボっていたキラキラ系が楽器を吹き始めた。

滝野先生効果があるんだろう、うちの吹奏楽部は結構上手くなってきている。
…ただのイケメンと騙されているんだろう。

「なーぎさ、大丈夫か?」
「柊!え、私顔やばかった?」
「いや、ずっと兄貴見てた」

ムッとした顔で私のほっぺを引っ張った。

「いひゃい…ほっぺしゅきなにょ…?」
「!!!」

柊は顔を真っ赤にした。
そんなにほっぺ好きを隠し通したかったんだろうか。

「ふふっ、可愛いなぁ」
「なんだと?!俺、男なんだけど」
「ごめんごめん、明日頼りにしてるよ相棒」

そう言うと、柊は何故か複雑そうな顔をした。
え、なんで?相棒って言ったの柊だけど。
と言いたいのを抑えて、スティックで突っついた。



コンサート当日、私たちは楽器置き場であたふたしていた。
茶髪の華ちゃんが、集合時間を過ぎても来ないのだ。

「どうしよう…トランペットのソロ、華ちゃんなのに…」

志乃先輩は部長だから責任を感じてるんだろう、泣きそうになっていた。

「皆!華ちゃんにLINE送って貰っていい?」

私はスマホを取り出して、LINEを開く。
部員だから、否が応でもLINEは持っている。

「あれ?」

見ると、既に華ちゃんからメッセージが届いていた。