次の演奏は花山南高校吹奏楽部ですっ!〜部活大好き彼氏が甘すぎる〜

保健室で私をベッドに座らせて、もう1回ぎゅうっと抱きしめた。

「もう、大丈夫だって」
「…そうじゃない」
「え?」

柊はすごく悲しそうな顔で私を見た。

「いじめられてること言ってくれなかったし、兄貴に跡つけられてるし、大丈夫って言うし」
「ほんとに大丈夫だって」

嘘。本当はすごく怖かった。でも言ってしまえばもっと心配させる。友達を心配させたくない。

「…あと、俺、渚のこと友達って思ってなくて」
「え?そうなの…?」

こんなに仲良くしてるのに?それはそれでショック。

「あ!そうじゃなくて…!」
「友達って思ってなかったのか…ショックかも」

私は結構酷い顔をしてたと思う。あんなに距離が近かったのに、からかってるだけだったと思うと、寂しい。
柊は焦った顔で私を見て

肩を掴んで

ベッドに押し倒した。

「は?」
「じっとしてて」

柊は首筋に顔をうずめて

傷口をそっと舐めた。

「んっ…なにっ…」
「…黙れ」

しばらくして離れた柊は、大きめの絆創膏を貼ると

「消毒だから」

と言って、私を起き上がらせた。

「しょ、消毒って…!」
「あと、友達と思ってないってそういう意味じゃなくて…!相棒みたいな…」

あ、そういうことか。

「だから!これからも相棒として、俺のメロディをドラムで支えろよな!」
「う、うん、わかった、支えるよ」

安心はしたけど、何故か胸がキュッとなった。こうなったのは初めてじゃない。

これは、何なんだろう…?