「…ありえない」
ドラム椅子に深く腰かけながら仰け反ると、志乃先輩が駆け寄ってきた。
「渚ちゃん、ロコモーションのドラムのここ、シンバル大きめにって」
「…はい、頑張ります…」
「元気無さそうだねぇ…大変だもんね」
志乃先輩は苦笑いしながら、ヨシヨシとしてくれた。
「大丈夫大丈夫、渚ちゃんならどんなことも乗り越えられるよ」
「先輩〜…」
先輩のヨシヨシには本当に毎日助けられている。もし私が男だったら惚れていただろう。
「おかっぱ!ちょっと来て!」
この至福の時間を潰したのは、あの茶髪の華ちゃんだった。
「…なに」
「なにじゃないでしょ、わかってんでしょ?」
ガっと私の腕を掴んできた華ちゃんを、志乃先輩が止めに入る。
「ちょ、ちょっと止めなよ!」
「え?なんですか、部長、いじめられたいんですか?」
「ちょっと、志乃先輩に手出すのやめてくれる?私の事が気に入らないんでしょ?」
私がキッと睨みつけると、掴んでいた手の力が少し緩んだ。
「まぁいいわ、ちょっと来てくれない?」
後ろに取り巻きを何人も並べて脅してくる様は、まるでどこかの軍隊長だ。
断ったら、次は誰かにとばっちりがいく。そんなこと分かってるから、私は着いて行った。
連れていかれたのは、使われていない旧校舎の裏だった。
「ここなら誰も聞いてないよね?あんた達、ちゃんと見張っててよ!」
華ちゃんはそう言うと、私の髪を掴んだ。
「あんた、柊くんだけじゃなくて滝野先生にまで色目使って、調子のってんじゃないわよ!」
「……」
ドラム椅子に深く腰かけながら仰け反ると、志乃先輩が駆け寄ってきた。
「渚ちゃん、ロコモーションのドラムのここ、シンバル大きめにって」
「…はい、頑張ります…」
「元気無さそうだねぇ…大変だもんね」
志乃先輩は苦笑いしながら、ヨシヨシとしてくれた。
「大丈夫大丈夫、渚ちゃんならどんなことも乗り越えられるよ」
「先輩〜…」
先輩のヨシヨシには本当に毎日助けられている。もし私が男だったら惚れていただろう。
「おかっぱ!ちょっと来て!」
この至福の時間を潰したのは、あの茶髪の華ちゃんだった。
「…なに」
「なにじゃないでしょ、わかってんでしょ?」
ガっと私の腕を掴んできた華ちゃんを、志乃先輩が止めに入る。
「ちょ、ちょっと止めなよ!」
「え?なんですか、部長、いじめられたいんですか?」
「ちょっと、志乃先輩に手出すのやめてくれる?私の事が気に入らないんでしょ?」
私がキッと睨みつけると、掴んでいた手の力が少し緩んだ。
「まぁいいわ、ちょっと来てくれない?」
後ろに取り巻きを何人も並べて脅してくる様は、まるでどこかの軍隊長だ。
断ったら、次は誰かにとばっちりがいく。そんなこと分かってるから、私は着いて行った。
連れていかれたのは、使われていない旧校舎の裏だった。
「ここなら誰も聞いてないよね?あんた達、ちゃんと見張っててよ!」
華ちゃんはそう言うと、私の髪を掴んだ。
「あんた、柊くんだけじゃなくて滝野先生にまで色目使って、調子のってんじゃないわよ!」
「……」

