「…あ、の」 「…南海ちゃん」 「!」 男がうつむいていた顔を上げた瞬間、 背筋が凍った。 目が怪しく光を帯びている。 「南海ちゃん、僕はね…」 ゆっくりとした足つきで近づいてくる。 あたしは逃げる様に一歩下がる。 「どうして逃げるの…?? 大丈夫、怖くないよ…?? 僕はこの時をずっと待ってたんだ。 …今日を」