砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「アムジャド。」

前はアムジャドの名前を呼ぶ度に、切なくなっていた。

でも今は、彼の名前を呼ぶと、強くなれる気がする。


タクシーが家の前に停まり、私は再び家に帰って来た。

「ただいま。」

「千奈!」

お母さんが玄関の前まで、走って来てくれた。

「へへへ。戻って来ちゃった。」

「戻って来たって?」

私は荷物を持って、家の中に入った。

「連れて行ってもらえなかったの。」

「そんな……」

私はソファに座った。

「でも、結果よかった。」

「どうして?」

「だって、このまま医学部辞めたら、お父さんとお母さんに、申し訳ないもの。」

私はお母さんに、笑って見せた。

「千奈。お母さんね。あなたが選んだ道だったら、相手に付いて行ってもいいって、思ってたのよ。」

「大丈夫。愛があれば、また会えるから。」

私は、心から微笑んだ。