砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「いいえ。決して、希望を捨ててはダメよ。」

「はい。」

「じゃあね。」

ご婦人は、そう言うとどこかへ消えてしまった。


希望を捨てない。

アムジャドともう一度、会える希望を捨てない。

うん。そうやって生きて行こう。


「帰ろう。」

荷物を持ち、空港の外に向かって歩き出した。

お母さん、あんなに劇的なお別れをしたのに、帰ってきたら、何て言うかな。

外に出て、タクシーを拾った。

さっきはアムジャドとの新しい生活で、胸が興奮でいっぱいだったけれど、今は冷静になっている。

そう。もしかしたら、医者になる道を途中で捨てるなって、神様が言っているのかもしれない。

「うん。そうかもしれない。」

私は窓の外を見た。

飛行機が飛んでいる。

アムジャドもあんな風に、行ってしまったんだろうか。