砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「どうしたの?」

そのご婦人は、私の隣に座った。

「その様子だと、好きな人とでも、別れてきたの?」

その言葉を聞いて、また涙が出て来た。

「あらら。図星だったのね。」

私はまたハンカチを目に当てて、泣き始めた。

「相手は日本の人?それとも、外国の人?」

「……外国の人です。」

「そう。国境線を超えられなかったのね。」

それを聞くと、また涙がほろほろ出て来た。

「相手も私も、国境線を超える覚悟で、ここに来たんです。」

「あらま。じゃあどうして、付いていかなかったの?」

「付いていかなかった、じゃないんです。付いて行く事を邪魔されたんです。」

「誰に?」

「お付きの人に。」

あの大金が入った封筒を思い出すと、悔しくなってくる。