砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「そうなったら、チナ様に諦めてもらうしかありません。」

イマードさんは、胸のポケットから分厚い封筒を取り出した。

「国王陛下からです。」

「なに?」

「お金が入っています。」

「手切れ金って事!?」

「平たく言えば、そうです。」

私はその封筒を手に取って、床に投げつけた。

「そんなモノ、受け取れる訳ないじゃない!」

イマードさんは、床に落ちた封筒を拾い上げた。

「お気持ちは、察します。」

そう言って、イマードさんは背中を向けた。

「待って!もうアムジャドとは会えないの?」

それでもイマードさんは止まってくれない。

「ねえ、お願い。アムジャドと会わせて!」

その声も虚しく、イマードさんは行ってしまった。

私は、床に膝を着いて、泣き崩れた。