砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「ごめんね。今まで黙っていて。でも私、その人に付いていきたいの。」

涙が零れる。

お母さん、親不幸な娘でごめんなさい。

「分かったわ。」

母親は私をそっと、抱きしめてくれた。

「あなたが選んだ道なら、お母さん反対はしないわ。」

「ありがとう。」

「その代り、どこにいても元気でいるのよ。」

「うん。」

お母さんの温もり、ずっと忘れない。

「じゃあ、行ってきます。」

「気をつけてね。たまには連絡よこすのよ。」

「うん。」

そして私は振り切るように、玄関を開けて、家を出た。

青い空が広がっていた。

新しい世界。

アムジャドと切り開いていく世界。

私は、しばらく歩いて、タクシーを拾った。

ドキドキしている。

アムジャドとの二人の生活が、これから待っている。