しばらくして、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

「アムジャド様、チナ様。支度はもうできましたか?」

「イマードだ。」

アムジャドは急いで、ズボンを履いた。

上半身裸のまま、ドアを開ける。

「イマード、まだ支度できていないんだ。」

「これは失礼しました。ドアの外で待機しています。」

そう言って、ドアは一旦閉められた。

「チナ、今のうちに服を着て。」

「うん。」

急いで昨日着ていた服に着替えた。

アムジャドはなぜかアラブの洋服に着替える。

こうして見ると、王子様って納得できる。

「ん?」

「なんだかアムジャド、いつもよりもカッコいい。」

「いつもよりは、余計だろ?」

私は微笑んだ。

「そうね。いつもカッコいいものね。」

そう言って、荷物を持って、ドアの外に出た。