「すみません。」

「すみませんで、済む事ではないんですよ!?」

興奮したイマードさんを、周りの看護師さんが宥める。

きっとアムジャドは偉い人で、私とは身分が違う人で、何かあったら代わりのきかない人なんだわ。

「私がそのまま、車に轢かれればよかったんでしょうか。」

「そうですね。」

涙が出そうになったけれど、奥歯を噛み締めて、我慢した。

「……万が一、それで私が亡くなっても?」

「そうなったら、アムジャド様は悲しむでしょうね。ですが悲しみはいつか癒えます。大事なのは、アムジャド様がご無事でいられる事です。」

私はアムジャドのベッドに、顔を埋めた。

「誤解しないでください。そのくらいの覚悟ではないと、アムジャド様の側には、いられないと言う事です。」