1時間後、イマードさんは病院に駆け付けてくれた。

「チナ様!」

「イマードさん、こっち!」

「アムジャト様の様子は?」

「まだ、手術中で。」

その時だった。

手術室が開いて、アムジャドを乗せたベッドが出て来た。

「アムジャト様!」

「まだ麻酔が効いていますから。」

看護師に言われ、イマードさんと私は、そのままアムジャドに付いて行った。

「しばらくはICUに入院して頂きますから。」

「はい。」

私はアムジャドが眠るベッドの側に座った。

「……何があったんですか?」

「私が車に轢かれそうになって、アムジャドが助けてくれたんです。」

するとイマードさんは、唇を噛み締めた。

「助けてくれたって……アムジャト様に何かあったら、どうなるか分かっているんですか?」