「ごめん、チナ。上手く出て来たと思っていたが、ジャミレトの女中に見られていたかもしれない。」

「ううん。気にしないで。」

ジャミレトさんにしてみれば、やっとアムジャドと二人きりになったというのに、抜け出して私のところに来ていたなんて。

侮辱されたと思ってるでしょうね。

「アムジャド。今後は、ジャミレトさんの部屋に行ったら、彼女と夜を過ごしてちょうだい。」

するとアムジャドは、私を片手で抱き寄せた。

「チナは、僕がチナを抱かずに眠れると思っているんだ。」

「そんな事はっ!」

その瞬間、私の口はアムジャドの唇に塞がれた。

「知らないんだ。僕がどれだけ、チナを愛しているか。」

「アムジャド……」

私だって、ジャミレトさんの元になんて、行ってほしくない。