「ここは日本じゃないと、前も言ったはずだ。肺炎で死ぬ子供なんてうじゃうじゃいる。いちいち悲しんでいては、自分ももたないぞ。」

涙が溢れて止まらなかった。

その時、周りの子供達の一人が、私の手を握ってくれた。

「お姉ちゃん、泣かないでって言ってる。」

アリさんが、私の肩を掴んでくれた。

「チナ。患者はおまえを待っているんだ。一人の医者として。悲しんでいる暇があったら、一人でも多くの患者を診ろ。今度はその命を救えるようにな。」

「はい。」

私は涙を拭いて、子供達の前に膝を着いた。

「さて、どこが悪いのか、お姉ちゃんに教えて。」

すると一人の女の子が、胸を指した。

「時々胸がぎゅっとなって、息ができなくなるの。」

私は、大きく息を吸って、その女の子を見た。