「私の事ですか?」

「ああ。」

増々分からなくなった私を他所に、アムジャドは診療所に顔を出した。

「チナ。」

「アムジャド。」

そしていつものように、アムジャドに抱き着こうとした時だ。

先に土井先生が、私達の間に入った。

「皇太子。少しお話させてください。」

「ああ、いいよ。Dr,ドイ。」

すると二人は、診療所の外へ。

何気に動いている振りをして、入り口に陣取った。

「皇太子。お話をしたいのは、千奈の事です。」

「チナの事?何があった?」

アムジャドの表情が、直ぐに固くなった。

「何かあったではありません。皇太子は、チナをどうするおつもりですか?」

アムジャドが黙った。

「ただの遊びですか?」

「遊びではない。本気だ。」

アムジャド、はっきり言ってくれた。