その周りの外から中を見ると、一人の子供がはぁはぁと息を切らしていた。

その子供の母親であろう女性が、側にいる男性に訴えかけている。

「何て言ってるんですか?」

私は通訳の人に聞いた。

「子供、熱が下がらない。どうにかならないですか?」

私は口に手を当てた。

「でもDr,ドイ、点滴するから今日はここに泊って。」

そしてその男性は、点滴を子供に施した。

「あの人が、Dr,土井……」

そして土井先生は、点滴で泣く子供の頭を撫でている。

「それくらい元気があれば、病気も治る。」

黒くて、ゴツゴツした手。

一体どのくらいの間、ここにいるのだろうか。


「Dr,ドイ。留学生を連れてきた。」

すると土井先生は、私達を見た。

「おまえ達か。へき地に来たもの好きは。」