砂漠での甘い恋~女医は王子様に溺愛される~

「お母さん私、本当に医者になれるかな。」

お母さんの側に座った私の隣で、お母さんはお茶を一口すすった。

「何かあったの?」

「大した事じゃないんだけどね。」

答えはもう知っている。

留学なんて、諦めなきゃいけない事。

「愚痴なら聞くわよ。」

「うん。」

愚痴か。もしかしたら、話せば楽になるかも。

「あのね。大学で留学のチラシが貼ってあったの。行先は、モルテザー王国。アムジャド……私の恋人のいる国なの。」

「そう。それで?」

「でも、留学担当の人に反対されたの。まだ学生の私には、医療の整っていないへき地に行くのは、危険すぎるって。それに津田先生にも、留学じゃなくて、アムジャドに会うのが目的なんだろうって。」

「そうなの。で?留学は諦めるの?」