「しょーちゃん、こっちきて……」
華那が布団の中から俺の方に手を伸ばす。
近づくと、華那に腕を握られ引っ張られる。
「ちょ、何してんだよっ」
「しょーちゃんも一緒に寝よ」
その言葉に俺の頭の中は真っ白になる。
一緒に寝る……!?
「絶対ダメだ」
そんなの俺が耐えられるはずがない。
だってそもそも華那のベッドはセミダブルだぞ?
2人で寝るには少し狭いだろ。
「えーーー! なんで?」
「ダメなもんはダメ」
「ケチ……」
口をとがらせる姿も可愛い。
何しても可愛いって何?
「ほら、もう目が覚めたんなら準備して……わあ!」
掴んでいた俺の腕をさらに強い力で引っ張る。
そのせいで俺の身体は傾き、華那の上に覆い被さるような体勢になる。
ち、近い……!
「華那、何して……」
「ねぇ、おはようのちゅーは?」
上目遣いで急にそんなことを言い出すから、俺の思考回路は一時停止した。