「そ、それ、しょーちゃんの話だよっ! ミカちゃんは私がずっとしょーちゃんのこと好きなの知ってるからその話だよっ……」
まさかしょーちゃんが聞いていたなんて思ってもいなかった。
「はぁ〜〜っ……何だよ、それ。俺が落ち込んでたのはただの早とちりかよ……」
「え! しょーちゃん落ち込んでたの!?」
全くそんな風には見えなかった。
「落ち込んでるときに華那が、もう起こしにこなくていいとか一緒に帰らなくていいとか言うし……やっぱり佐々木のこと好きになったんだって思ってた」
「違うのそれは、しょーちゃんに甘えてばかりじゃ妹みたいにしか思われないから……オトナの女になろうと思ってっ……」
自立した女の子のほうがしょーちゃんは好きかなって思ってしたことなのに。
「ったく、お騒がせなヤツだな……」
そう言いながら私から離れて頭を抱える。
「この化粧と髪型だって、少しでもしょーちゃんに可愛いって思ってもらいたくて……今日からミカちゃんに色々教えてもらって……なのに、佐々木先輩とのデートに浮かれて化粧してるって言われて、悲しかった」
「……何だよ、それも俺のためだったんだ」
しょーちゃんは本当にそういうところだけは鈍感だ。


