『翔騎くーん、華那、ケーキ買ってきたよー』
『わーい! 俺、ショートケーキがいい!』
『えぇ! 華那もショートケーキがいいのにぃ……』
『……仕方ないなあ、じゃあ俺はモンブランにする』
『えへへ、しょーちゃんありがとうっ!』
いつも何か取り合いになりそうになったときは、しょーちゃんが我慢して譲ってくれた。
昔からいつも私はしょーちゃんに甘えてばかりで……でも、そんな優しいしょーちゃんが大好きだったんだ。
「先輩、すみません……私っ……」
「おい、華那から離れろよ」
背後から聞こえた声。
振り向かなくても誰かわかる。
「しょーちゃんっ……」
しょーちゃんが、私から先輩を引き剥がすと、胸ぐらを掴んだ。


