「そんなの関係ないよ。俺……初めて話したときから華那ちゃんに一目惚れしちゃって」
わ、私に一目惚れ……!?
こんなカッコいい先輩が?
すごく光栄だけど……でも……。
「私、先輩のことまだあんまり知らないですしっ……」
「それは、これから徐々にお互いのことを知っていけばいいんだし、ね?」
怖い。
先輩が怖い。
何で離してくれないの?
私がこんな風にくっつきたいのは先輩じゃない。
「で、でもっ……」
私の頭の中にはしょーちゃんの顔が浮かぶ。
『え〜ん……っ!! しょーちゃん、痛いよぉ……』
『ほんとに華那はドジだなあ……ほら、背中乗って』
『ぐすんっ……ありがと、しょーちゃんっ』
しょーちゃんは小さい頃からいつもドジでよく転んだわたしをおんぶして家まで連れて帰ってくれた。


