【企画】溺愛するには不器用すぎる。





「せっ……せんぱ……っ」



ぽす、っと私は先輩の胸の中に閉じ込められる。
自分のいまおかれている状況を理解するのに少し時間がかかった。



だ、抱きしめられてる……っ!?



「あ、あの、先輩」



ジタバタ抵抗するけど全く離してくれる気配はない。



「どうして泣いてるの?」



「も、もう大丈夫なのでっ……!」



優しい先輩とはいえ、男の人にこんな風に抱きしめられるのにはさすがに抵抗がある。
少し怖いとまで思ってしまった。