【企画】溺愛するには不器用すぎる。





違う、私がこうやって少しでも可愛くなろうと思ったのは……しょーちゃんのためなんだ。



しょーちゃんはこんなドジで甘えてばかりの私なんて妹みたいにしか見てくれない。
だから、朝は自分で起きて、帰るときはしょーちゃんだって友達と遊んだりしたいだろうから別々にして、見た目も大人っぽくなろうと思って化粧と髪型セットまでしたのに。



全部全部、しょーちゃんに好いてもらうためなのに。



どうしてしょーちゃんに上手く伝わらないんだろう。



佐々木先輩は仲良くしてくれようとしてくれる、いい人けど……でも、私はやっぱりどうしてもしょーちゃん以外の男の子とデートなんてできない。
隣にいるのはしょーちゃんじゃないとダメなんだ。



しょーちゃんが佐々木先輩とは関わるなって言ってくれたのは、もしかしてヤキモチでもやいてくれてるのかなって一瞬期待して『なんで』ってしつこく聞いちゃったけど、でも、私の聞きたい言葉は聞けなかった。



結局私がうぬぼれてただけなんだ。