【企画】溺愛するには不器用すぎる。





【華那サイド】



「っはあ……」



息を切らしながら屋上へ続く階段を駆け上がる。



私、最悪だなあ……。
しょーちゃんにあんな態度とっちゃうなんて。



しょーちゃんってば、何もわかってないんだもん。



私がミカちゃんに教えてもらいながら化粧したり、髪の毛セットしてもらったのは佐々木先輩とのデートだからじゃない。



佐々木先輩と一緒に帰ろうって言われたのは……結局、お断りしたんだ。



しょーちゃんが『アイツとデートだからって浮かれてそうやって化粧なんてして……』って言った時にどれだか悲しかったか。
わかってくれないしょーちゃんに悲しみと怒りが湧き上がってきて逃げてきてしまった。