【企画】溺愛するには不器用すぎる。





――キーンコーン。



「んん……」



1時間目の終わりを告げるチャイムで目が覚める。
ゆっくり目を開くと、一面に綺麗な青空が視界に入ってくる。



こんなにいい天気なのに、俺の心は雨模様どころか雷雨だ。



さて……そろそろ教室に戻るか。



重たいお尻を上げて、屋上を後にする。
寝起きだからか、頭はまだぼーっとしている。



「はあ……」



「あ、しょーちゃん!」



あまりひと気のない廊下で背後から名前を呼ばれる。
しょーちゃんと呼ぶのはただ一人。