それってもしかして……華那のことは遊びだったってこと、だよな?
誰よりも純粋でピュアで……そんな華那をもてあそぶつもりか?
俺は華那に振り向いてほしくても振り向いてもらえないのに、そんな軽い気持ちで華那に近づいたお前に華那の心を奪われたなんて。
一気に怒りが湧いてきて、俺は佐々木を一発殴ってやりたい衝動に駆られた。
けど、ふと冷静になって考える。
もしここで俺が佐々木を殴って学校で騒ぎになって、それを華那が知ったら……悲しむに違いない。
じゃあ……ここはもう華那に当たり障りなく諦めさせるように仕向けた方が誰も傷つかないで済む。
「ふぅ……」
一呼吸置いて心を落ち着かせる。
はあ、マジで佐々木……ゆるさねー。
お前なんかに絶対華那を渡さない。
華那のことなんてなにも知らないくせに。
見た目の可愛さだけしか知らない、そんなヤツに任せられるはずがない。
俺は怒りを落ち着かせながら、屋上へと向かった。


