「今あの子と連絡取ってんだよね」
「マジ? お前も好きだなあ〜やっぱりイケメンっていいよなあ」
数段階段を引き返して廊下をこっそり覗くと、そこにはあの佐々木とその友達らしき男子生徒が数名。
俺は壁に隠れてそっと聞き耳を立てる。
「で? その子はどうなの? 脈あり?」
「押しに弱そうだからあと一押しぐらいすれば余裕ってとこかな。でも、ああいう恋愛未経験っぽい子ってちょっとめんどくさい」
え? 今のセリフって佐々木の言葉だよな?
めんどくさい? ならどうして華那にちょっかいかけてんだよ。
「でも、顔はそこそこ可愛いから隣に置いておこうかな。ちょっと遊ぶぐらいの気持ちで付き合って、めんどくさくなってきたら別れればいいしね」
佐々木の口から出た言葉に俺は固まった。


