「もうそろそろ、しょーちゃん離れしないとね」
そう言って微笑んだ華那に俺は言葉も出てこない。
ずっと一緒にいたい。
そう思ってるのは俺だけだったんだ。
勝手に華那はずっと俺と一緒にいてくれるんだなんて思ってたけど……俺の勘違いだった。
カッコ悪いな、俺。
「ったく、おせーよ。今更1人で大丈夫か?」
傷ついてることを悟られたくなくて、笑いながらそんな風に言ってみる。
「うん! 大丈夫だよ!」
「……ふーん」
精一杯の強がり。
華那には俺のこのバラバラになった気持ち、バレてないよな?
「あーあ、よかった。華那がやっと親離れして」
「やっぱり、私って迷惑かけてばっかりだったよね……」
「あぁ、今まで俺がどれだけ苦労したか……」
昔から何で思ってもいないことばかり言ってしまうのだろう。
そんな自分が大キライだ。
「もう、そこまで言わなくてもいいのに!」
笑っている華那だけど、なんだか少し寂しそうにも見えた。
そんなワケ、ないのに。


