「ダメダメ、絶対ダメ」
想像してみたけど、キケンな予感しかしない。
確かに、小さい頃は一緒の布団で寝たりしてたけど……。
俺はもう、健全な男子高校生なんだけど?
好きな女の寝起きなんて見たら、理性なんて保てるワケがない。
「えー、なんでよ! 早く起きろって言うだけ言っておいて、全然協力してくれないじゃん! ケチ!」
頬っぺたを膨らませて怒る華那。
可愛い。実に可愛い。可愛すぎるんだが?
誰か可愛いの最上級の言葉を教えてくれ。
「自分で起きる努力しろよ……」
頭の中が華那が可愛いに埋め尽くされているのを悟られないように、必死に余裕の表情を保つ。
俺ってもしかして演技派俳優とかになれるかも。
「努力は毎日してる! でも、無理なものは無理!」
……華那にはなにを言っても無駄だ。
確かに、華那は小学生のときからすでに早起きが苦手だった。
これはもう直すのはかなり難しい。


