――次の日。



いつも約束している時間と同じぐらいに家を出ると、もう家の前には華那がいた。



「おはよ、しょーちゃん」



「早いな」



華那がちゃんと時間守って家の前に出てきたのなんて、何年ぶりだろう。
時間を守るのは当たり前のことだけど、華那に関しては珍しくて違和感。



「今日からはちゃんと起きられるように頑張るって決めたの」



「へぇ、どういう風の吹き回し?」



あんなに朝に弱い華那が頑張って起きるなんて、明日は雪でも降りそうだ。



「……しょーちゃんに甘えてばっかりじゃダメだなって、気づいたの」



「え?」



「ちゃんと自立しないとって思って。もう高校生だしね」



自立、か。



華那の言葉に何だか寂しくなる。
小さい頃からあんなに甘えただった華那なのに……。