【翔騎サイド】
「はあ……」
なんであんなこと言ってしまったんだろう。
自分に呆れてため息しか出ない。
俺はベッドの上で枕に顔をうずめた。
『……好きにすればいいんじゃない』
『え?』
『華那が行きたいなら行けば。別に俺は1人でも帰れるし』
『そっか……わかった』
何が、行きたいなら行けば。だよ!
カッコつけやがって。
素直に、行くなよって言えばいいのに。
「あぁ〜〜〜っ!!」
くそ、自分にイラつく。
なんで素直になれないかな……。
華那がアイツを好きだとわかってからイライラが止まらない。
連絡先を聞くということは、絶対にあの佐々木も華那に気がある。
ということは2人は両思い……。
もしどちらかが告白したら……俺はもういらない存在になる。
素直になれよ、俺。