「ふーん……好きにすればいいんじゃない」
「え?」
しょーちゃんの冷たい言葉に一瞬フリーズする。
「華那が行きたいなら行けば。別に俺は1人でも帰れるし」
「そっか……わかった」
そりゃそうだよね。
しょーちゃんは別に私と帰りたくて帰ってるワケじゃない。
ただ単に幼なじみで、同じ学校で、お隣さんだから一緒に登下校してるだけだもんね。
幼なじみという大きな壁を感じて、なんだか胸が苦しくなる。
それと同時に涙が出てきそうになって、必死にこらえた。
いつか……しょーちゃんに彼女とかできちゃったらこうやって当たり前のように一緒に登下校することはなくなっちゃうのかな?
「そんなのヤダ……」
「え?」
「いや、何でもないよ!」
えへへ、と作り笑顔をしょーちゃんに見せる。
「佐々木先輩、私なんかと仲良くしたいって言ってくれてすごくいい先輩なんだあ」
バラバラになりそうな気持ちをごまかすように明るくそんなことを言ってみる。
「そっか。よかったな」
「うん!」
落ち込んでも仕方がない。
私と仲良くしようとしてくれてる先輩に感謝しないと!
私は先輩に《ぜひ、よろしくお願いします!》と打って送信ボタンは押さないまま画面を閉じた。


