【企画】溺愛するには不器用すぎる。




だけど……華那はそうじゃないみたいだ。



華那はいつか俺から離れていく。



俺は今になってその事実に気がついた。



そりゃそうだよな。
好きでもない男と一生一緒にいるなんて、そんなのおかしいもんな。



でも……昨日初めて話したような男に華那を取られるなんて……っ。
俺なんか幼少期の頃から華那のこと知ってるんだぞ?
華那の好きな食べ物も嫌いな食べ物も、運動音痴でドジだけど、勉強は意外とできることだって、俺が一番よく知ってる。



俺の方が先に華那のこと、好きになったのに。



でも、そんなの関係ないよな。
華那が俺のこと好きじゃないなら意味がない。



はあ……マジでヘコむ。
もう俺一生立ち直れないかもしれない……。



「はあ………」



大きくため息をついて机に伏せた。