【企画】溺愛するには不器用すぎる。





階段で2階へ上り、華那の部屋の前に立つ。



「……っ」



――ガチャ。



そろーっと、扉を開けると一気に華那の匂いに包まれる。
甘くて優しい匂い。



やばい、匂いだけでドキドキしてきた。



ベッドの上で小さく丸まっている華那に、そっと近づく。



規則正しい寝息をたてている華那。
華那の寝顔をこんなに近くで見たのは、いつぶりだろうか。
長いまつげにサラサラの前髪。



はあ……可愛い。
可愛い……可愛い。
この可愛いという言葉以外で、どうやってこの気持ちを表していいのかわからない。



無防備な寝顔に俺の心臓はどんどん加速していく。



あぁ……触れたい。



無意識に俺は華那のピンク色の柔らかそうな頬っぺたに触れていた。



「やわらか……」



……って、俺はなにしてんだよ!



ハッと我にかえって手を引っ込める。



付き合ってもないのに華那に軽率に触れるなんて、絶対ダメだ。



「ん〜っ……」



華那が寝返りをうって、掛け布団を足で挟んで抱きしめる。