「しょ、しょーちゃん!」
「……遅い」
「ご、ごめんね! 待ちくたびれちゃった……よね」
しょーちゃんは帰りのHRが終わってから1時間ぐらい暇を持て余してたんだもんね……。
「帰るぞ」
……あれ、しょーちゃんなんかちょっと不機嫌?
いやいや、気のせいだよね。
私、何もしてないし。
上履きから靴に履き替えて、慌ててしょーちゃんの隣を歩く。
「しょーちゃん、待ってよ〜……」
「腹減ったの」
「……あ、お菓子あるよ! はい!」
私はふとカバンの中にいれていたチョコレートの存在を思い出し、カバンをあさってしょーちゃんに差し出す。
「これで許して? ねっ?」
しょーちゃん、チョコレート大好きだもんね。
「……ったく、仕方ねーな」
無表情だったしょーちゃんの表情がゆるむ。
よし! 私の作戦通り!
……なんてね。


