【企画】溺愛するには不器用すぎる。





そんな華那と俺は幼なじみだ。
生まれた時から家が隣同士で、物心ついたときにはもう一緒にいた。
保育園、幼稚園、小学校、中学校、そして今年から通い始めた高校も同じで、同じクラスだ。



「……で、結局目が開けられなくてそのまま二度寝しちゃうの」



言い訳があまりにも華那らしくて呆れてしまう。



「はぁ……いつになったらその寝起きの悪さは直るんだか……」



「そんなこと言われても、そんな簡単には直らな……きゃっ!」



急に何かにつまずいた華那の身体が傾き、咄嗟に支える。



「ちょっ……何してんだよ」



華那は昔からドジで、何もないところで転ぶなんてのは日常茶飯事。
転んでケガをして大泣きする華那を、俺がおんぶして帰ったこともあったっけ。