【企画】溺愛するには不器用すぎる。





「華那ちゃんってさ、家はどこらへんなの?」



「ひ、東町です」



「そうなんだ、俺は南町。途中まで帰り道一緒かな?」



「そ、そうかも……ですね」



「もし良かったら、一緒に帰る?」



………えっ!?
先輩の言葉に私はまたまたビックリする。



「え、えっと……?」



「女の子一人よりも俺がいたほうが、防犯になるかなーと思って」



ニコッと笑う先輩。



な、なんて………紳士なんだ、この方は……。



でも……。



「大丈夫です! 幼なじみが委員会終わるの待ってくれてるので……」



私にはしょーちゃんがいる。
しょーちゃんがいれば怖いものなんてない!



「そっか、残念。また機会があったら一緒に帰ろうね」



「は、はいっ……」



下駄箱に着いて、先輩が私に手を振る。



「じゃあまたね」



「はい! ありがとうございました……!」



ペコリと頭を下げたあと、1年生の下駄箱の方へ行くと、そこにはしょーちゃんがいた。