開いている廊下の窓から風が吹いて気持ちがいい。 その風に乗って先輩の匂いがする。 いい匂い……香水とかつけてるのかな? 「華那ちゃんってさ」 「は、はいっ!?」 ボーッと考え事をしていると、急に先輩に話しかけられてビックリしてしまう。 「……ごめん、驚かせちゃった?」 フフッと笑う先輩に私は恥ずかしくなる。 「いや、すみません。ボーッとしてました……」 「そっか。可愛いね」 「いえいえそんな……」 恐れ多すぎる。 可愛いだなんて私には無縁。