【企画】溺愛するには不器用すぎる。





「はい、じゃあ委員会はじめるぞー」



先生が入ってきて委員会が始まる。



はあ〜……先生の話長いな。
はやくしょーちゃんと帰りたいなあ……。



「今から言うことを必要に応じてメモとっておけよー」



あ、今からは真面目に聞かなくちゃ。
メモメモ……って。



筆箱、教室に忘れてきちゃった。
どうしよう。
もう、私のバカ! ドジ!



自己嫌悪に陥っていると、スッと目の前にシャープぺンが差し出される。
顔を上げると、優しい笑顔で私にシャープペンを差し出す佐々木先輩。



「え、せんぱ……」



「書くもの、ないんでしょ? 遠慮なく使って」



先生に聞こえないぐらいのヒソヒソ声で、もう一本あるから、と別のシャープペンを見せてくる。



「す、すみませんっ……」



私は先輩からシャープペンを受け取ると、先生の話をメモした。