【企画】溺愛するには不器用すぎる。





「……きゃっ!」



「うわあ!」



誰かとぶつかると同時に、私の視界は真っ暗になった。
慌てて離れて相手を見ると、そこに立っていたのは……。



「っ……」



とてもカッコいい男の子がいた。
明るい茶髪にスッと通った鼻筋、薄い唇。
絵本に出てきそうな王子様のような容姿だった。



こんなにカッコいい男の子、しょーちゃん以外に初めて見たかも……。



「……おーい?」



声をかけられて、見惚れてしまっていたことに気がつく。



そうだ、謝らないと……!



「す、すみません! ちゃんと前見てなくて……!」



「こっちこそ、ごめんね? 大丈夫?」



王子様のようなキラキラした笑顔が眩しい。