【企画】溺愛するには不器用すぎる。





「翔騎くんは喜びそうだけどね……」



「そんなワケないよ! 普段からしょーちゃんには色々とフォローしてもらってるし、絶対しんどいと思ってるよ。幼なじみだから仕方なく一緒にいてくれてるだけで……」



「……はあ、アンタたち見てるとムズムズするわ」



私にはミカちゃんの言っている意味がよくわからなかった。
ムズムズする?
ミカちゃん、鼻炎なのかな?



「じゃあ、がんばってね。また明日」



「うん、また明日ね! ミカちゃん」



ミカちゃんも教室を出て行き、時計を確認した私は委員会まであと5分ほどしかないことに気づく。



モタモタしてる場合じゃなかった!
はやく行かないと……!



教科書で重たくなったカバンを持ち、慌てて教室を飛び出した。