不安そうに澪が健斗の袖を掴む。HSPの人は暴力的なシーンが苦手な人が多い。澪も暴力的なシーンを見ると夢に出てくるほどしばらく忘れられないと言っていた。

「大丈夫!誰も死なない平和なミステリーって話題になってるやつだから」

「そっか。ありがとう」

「いいよ。俺も暴力的なのはちょっと無理だし」

DVDをセットし、二人はソファに座る。澪はお気に入りのクッションを抱えている。健斗は澪の肩をそっと抱き締めた。

「健斗くん、今幸せだって思ってるでしょ?」

「やっぱり感情読み取れるんだな。その通り」

健斗は優しく澪にキスを落とす。二人のデートはいつも和やかな空気が流れている。